セラピストの未来

【初めて知った医療のこと】

皆様は「物理医学」Physical medicine という言葉を聞いたことはありますか? 私は現場に出て、この言葉を知り様々な違和感が解消されていった事を昨日のように思い出します。医療はその治療方法で分かれます。手術を治療とする外科、薬を治療とする内科、そして熱、電気、力(人の手も含みます)などの物理的な手段を治療とする物理医学科というものがあります。日本にはこの物理医学科が存在しないため、手術か薬の二択になります。そのため、手術が適応ではない場合や薬で治らない運動機能については、誰がどのように責任をもって介入するのか、宙に浮いた状態になっています。理学療法は物理医学科の治療方法ですが、物理医学医という医師が存在しないため、理学療法は治療方法ではなくリハビリテーションに携わる訓練のような位置付けとされています。

【リハビリテーションについて】

リハビリテーションとは復権することを意味するものです。リハビリテーションはその目的から4つに大別されます。医学的リハビリテーションはその一つであり、医師や理学療法士、作業療法士、看護師などチームとなり各専門的な視点から患者様を尊重し、主体性をサポートし、日常生活への復帰を目指します。つまり、リハビリテーションの代表者などは存在し得る事はあり得ません。よく、職種間では理学療法士の事を「リハビリさん」なんて呼んでいる場面があります。全ての職種が関わるはずですので寂しいことです。また、「リハビリ」の位置付けを医療の中でも、一般的な感覚の中でも悩んでいるように感じます。よく分からない症状が生じた場合、外科医や内科医は「あとはリハビリをしっかり頑張って下さい。」と言います。患者様は「〇〇が痛いからリハビリに行っている」と言います。リハビリテーションは全ての医師が関わるものです。リハビリというものは存在しません。リハビリという何かを受けるものではありません。自ら主体的に復帰に向かう事が前提です。しかし、そうはいってもこのような感覚的な周知が浸透してしまっている今、根底から正す事は不可能のように思います。

【理学療法の行く末】

日本における理学療法には、大きな転換が起こります。もうその日がすぐ側まで来ているように感じます。これまで世界的な位置付けとは全く異なる形で活動し続けてきた理学療法士の進化が問われる時です。誰もこの時代の流れに逆らう事はできないでしょう。

【明日を担う貴方へ】

本気で医療を良くしたい、健康分野に関わりたい、人のために活動したいと考えている方は、日々自己研鑽していきましょう。日の目をみる時まで頑張って下さい。大局観を持ち、歴史を知り、世のため人のために心を燃やしましょう。OMEZASはそんな思いから生まれた組織です。