姿勢について考える

【姿勢の重要性】

姿勢の重要性について考える上で、日々の症状を想像すると理解しやすいと思います。

構造的な問題だけであれば日によって症状が変わる事はあまりありません。日によって状態が変わったり、画像検査で明らかな異常がなければ、それは体の働きが影響しているかもしれません。姿勢は体の全体像として現れ、総合的指標になり得ます。

姿勢が土台となり、両手足の動きが上手く行えていると考えます。姿勢は運動学的には脊柱で、脊柱の役割には

  1. 頭部・上肢・胸郭の負荷、四肢から伝播してくる様々な運動負荷を骨盤へ集める。
  2. 体幹運動の軸となり、体幹の運動を行う。
  3. 身体運動の中軸で、四肢の運動の基点(支点)を与える。
  4. 呼吸運動の基点を与える。
  5. 脊髄を保護している。

があり脊柱、体幹、姿勢の静的・動的制御が重要と考えられています。

【姿勢を変えると他にどんな体の変化があるのか?】

余分な筋の緊張が低下することでリラックスしやすくなります。その結果、楽な姿勢になります。本来の脊柱・体幹の配列になることで呼吸も楽になります。リラックスしているので、必要な時に必要な筋の必要な収縮力が得られ、運動や動作のスキルやパフォーマンスが向上します。

【姿勢を変えるために何が必要なのか?】

まず、リラックスです。余分な筋緊張を取って、本来の筋緊張の配置を取り戻す(アンバランスの是正)。脊柱の傍筋を収縮させ姿勢をつくることを再学習してもらう。そのためには、骨盤の位置も大切でそのうえに脊柱がバランスよく位置する姿勢を再学習して頂きます。

【自分の体をコントロールする】

姿勢は体の全体像として現れます。一部分だけの位置を変えることは非常に危険です。その姿勢になるには理由があるからです。例えば、背骨を骨折した方は背骨が丸くなりやすく、膝が曲がりやすいです。しかし、膝が曲がることでバランスが取れています。一部分だけ変化させることは症状を悪化させる可能性があるので、医学的情報を元に専門家にみてもらう事をお勧めします。

そして、自分の体の特性を理解し、なぜそのような姿勢になるかを知った上で予防的な運動を行いましょう。さらには日常生活動作の中に取り入れる事で、健康行動としてセルフコントロールが可能となるはずです。